こんにちは。
今日、マスターが大切にしているグラスを割ってしまった。大変なことをしてしまった!申し訳ないと思って、すぐに心から謝るが、ゆるしてもらえない!生まれて初めて、あんなに怒鳴られて、思いっきり叱られた!きっと、一生忘れないだろう…叱られた意味と共に…。愚かだった自分。
僕がバーテンダーをしているお店の食器類は、どれも高価な一流品です。
ちっちゃな小皿でさえ、僕の手が出る値段ではありません!陶器が破損した場合は、金継ぎをして修復していますが、グラスは元に戻せません。
バーテンダーに慣れてきた昨夜、僕は、マスターが大切にしているグラスを割ってしまいました。
すぐに謝って、
何度も何度も頭を下げて、
「同じものを買ってきます!」
と言いました。
すると、
「このバカ者がっ!」
と怒鳴られました。
物凄い剣幕で叱られました。あんなに恐いマスターを見たことがありません。てっきり割ったことに対して叱られていると思っていたら、そうではありませんでした!
「ミスは仕方がない!君が仕事をしている証拠だから。」
「でも、気安く『同じもの』なんて口にするなっ!」「その態度が間違ってる!それに対して叱ってるんだ!」そこで、ハッと目が覚めました。
壊れたら新しいものを買う!?
それで済まされる!?
違うんですよね??
僕は、完全に間違っていました。そこに、気づけませんでした。マスターにとって、そのグラスには大切な想いや思い出があって、決して、お金では買えない、変えられないものがあったのです。
それを気安く『同じもの』を買ってきます!なんて、言ってはいけなかったのです。僕は、深く反省しました。人生、どんなに慎重に生きていても、間違えたりミスしたりすることはあります。
それは生きている証拠だから仕方ありません。
でも、そこで大切にしなければいけないことは、ミスや間違いを簡単に捨てて、代わりのもので済ませるだけではいけないということ。
これは、人生も一緒なんだと思います。
これまでの自分を簡単に捨てて、新たな自分になるのではなく、ミスや間違いをした時には、これまでの自分を丁寧に振り返り、
許されて生きてきた事実を知り
努力する謙虚さを学び
誠実に生きる姿勢を身に付け
感謝することを覚える
そうやって、これまで、そこにあったものを大切に『次に』繋げて生きてゆくことが、とっても大事なんだと教わりました。
毎日、学ぶコトがいっぱいです。
あれから数年経ったいま、改めて読み返してみて、日頃から心に留めておきたいと思ったので、今日は、これをシェアしました。