「なんでわかってくれないの?」
そう感じて、心が疲れてしまったことはありませんか?
実は、この“わかってほしい”という思いこそが、僕たちを一番苦しめているのです。

毎日カウンセリングをしていると、
多くの人がこの「わかってほしい」という想いでいっぱいになっています。
こんなに頑張っているのに、誰も気づいてくれない——。
その思いが強すぎると、怒りになったり、嫉妬になったり、
ときには自分を責める方向に向かってしまうこともあります。
でも、そもそも人は“完全には”分かり合えません!
それぞれの経験、価値観、感情のフィルターが違うからです。
「分かり合えない」——
だからこそ、「わかりたい」という想いが“愛”になるのです。
身近で大切な人ほど、「きっと分かってくれている」と思いがちですが、
実際には、そうでもないことが多いもの。
それにイライラしたり、悲しくなったりするのは自然なことです。
けれども、「わかってもらいたい」を手放さない限り、悩みは終わりません。
では、どうすればいいのか?
まずは、自分が自分をわかってあげること。
「わかってもらえなくて悲しいよね。でも、大丈夫。私は私の味方だよ」
そう声をかけてあげるだけで、心は少しずつほどけていきます。
そして、もし本当に“わかってほしい”なら、
まず相手をわかろうとすることから始めてみてください。
相手もまた、いっぱいいっぱいで、人の話を聞く余裕がないのかもしれません。
そんなときは、相手の心のコップから溢れているものを、
少し抜いてあげてから話す——
それだけで、伝わり方が変わります。
コミュニケーションって、じつはとても繊細で、
でもだからこそ“愛の練習場”なのだと思います。
「聞くことは、愛」
「わかりたい」と思う気持ちが、関係をあたためます。
「わかってほしい」で止まっているうちは、
悩みのループから抜けられないけれど——
「わかりたい」に変わった瞬間、愛が流れはじめます。