世間では、感情をコントロールする方法が、いくつも紹介されていて、特に「アンガーマネジメント」(怒りを予防し制御するための心理療法プログラム)は、その必要性や効果も素晴らしいものがあると思います。
でも、本当に、本当に、本当に、困難な状況に陥った時、感情というものは、どうしようもないもので、コントロールどころではありません。
かつて、僕が長い闘病時代に痛感したことは、感情のコントロールなんて、単なる“気休め”に過ぎないということでした。
どんなにコントロールしようとしても、結局どれもうまくいかなくて、最悪なことには、自分の感情さえコントロールをできない自分を責めて、更に悪い状態になってしまいました。もちろん、僕自身が未熟だったことも大きな原因の一つですが。
ここで、僕が言いたいことは、感情は『無理矢理』コントロールしなくていい!ということ。
そもそも、「コントロール」という言葉は、無理なものをなんとかしようとする時に使われる言葉で、この言葉の裏側には「どうにもならない」という前提があります。どうにもならないことを、どうにかしようとして苦しんでも、まったく意味がないですよね。
そこを理解しないままコントロールすると、感情をすり替えたり、誤魔化したり、無かったことにしたり、するようになってしまいます。
結局、消化不良のままです。
人間が生きてゆく上で、自然に湧き起る感情に良いも悪いもありません。
それなのに、僕たちは、つい喜びと楽しみをえこひいきして、怒りや哀しみを悪者にしてしまう傾向にあります。
怒りや哀しみがあるから、人に優しくなれたり、思いやりが生まれたりするのに、一般的にネガティブと見なされる感情は、どうも嫌われる傾向にありますよね。だから、なんとかしたいのでしょう。
でも、ネガティブな感情は、今の状況を改善するためのメッセージで、生きてゆくためには必要不可欠なものです。
だから、それを抑えたり、否定してはいけません。
かといって、ありのまま、すべてを出し切って感情をむき出しにしたら、日本社会では生きていけませんよね。白い目で見られるし、大人としては失格と見なされます。
そこで、お薦めなのが一人カラオケ!
僕は、時々大声で歌います。
「バカヤロー」と叫ぶこともあります。
そうすると、なんかスッキリするんですよね。
感情を無理矢理コントロールするのではなく、それぞれが、それぞれに合った方法、ありのまま認めて、受け入れて、自分が納得する方法で、発散できるといいなと思います。
ネガティブな感情は、生きてゆくための大事なメッセージ!
あなたがあなたであるための心の叫びだから、無理矢理コントロールせず、決して嫌わないでくださいね。