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難病を経験したカウンセラーが、「救います」と言わない理由

2026/03/06

僕はカウンセラーです。

 

難病を経験し、

医療の現場と向き合い、

これまでに30,000件を超える相談を受けてきました。

 

だからでしょうか?

 

よく言われます。

 

「たくさんの人を救ってきたんですね。」

 

そのたびに、少しだけ間があきます。

 

そして、こう答えます。

 

「僕は、誰も救えません」



 

僕は、かつてクローン病で、四年間の絶食生活を送りました。

 

毎晩、自分で鼻からチューブを入れ、

9時間かけて栄養を流し込む。

 

何度も死のうとしました。

 

でも、あのときの僕を

最後に立ち上がらせたのは誰か。

 

・医師ではありません

・家族でもありません

・本でもありません

 

最後に「生きる」を選び続けたのは、

僕自身でした。

 

医療は支えになる。

言葉は光になる。

 

でも、回復は

――本人のものです。

 

これは理屈ではなく、体で知っています。

 

だから僕は、「救います」とは言わない。

 

でも、救いという言葉は強い。

その裏には、

「あなた一人では無理だ」という響きが潜むから。

 

それを、僕は言いたくない。

 

人は、どれだけ弱っていても、

最後の一歩を踏み出す力を持っています。

 

折れても、

砕けても、

芯は残っている。

 

僕の仕事は、その芯を信じること。

 

「カウンセリングとは何か?」

 

それに対する僕の答えは、いつも同じです。

 

隣に座ること。

 

答えを与えることではない。

人生を変えてあげることでもない。

 

その人が、自分で立ち上がる瞬間を、

邪魔せず、奪わず、信じ続けること。

 

「神社さんに救われました」

と言われることがあります。

 

本当にありがたい。

 

でも、本当は違う。

 

その人が、自分を諦めなかった。

その人が、自分で選んだ。

 

僕は、そこにいただけです。

 

肩書きや実績は、

外側の証明にはなります。

 

でも、本質ではない。

 

本質は、

苦しみから目を逸らさないこと。

依存を生まない距離で関わること。

相手の人生を、奪わないこと。

 

僕は、誰も救えない!

 

でも、

誰かが自分を取り戻す瞬間に立ち会うことはできる。

 

それで十分だと、本気で思っています。

 

これが、僕の仕事の在り方です。