「シャネルって、女性だけのものだと思ってた。」
たぶん、そう感じていた男性、僕だけじゃないと思います。
でも先月、香水売り場でのある出会いが、そんな思い込みをくつがえしました。
◆香水売り場で「想定外の出会い」が起きた
先月のこと。
新しい香水を探しに、新宿伊勢丹へ。
いつものようにディプティックかイソップを買うつもりでした。
でも、伊勢丹でピンとくるものがなくて、日本橋の三越へ行きました。
そして、ふと足を止めたシャネルのコーナー。
正直、それまで、シャネルは「女性用」「古風」「男には合わない」と、勝手な思い込みで避けていました。
しかし、その日は違いました。
店頭で、元気で、とっても明るいスタッフさんに声をかけられたんです。
「シャネルって、実は男性にこそ使ってほしい香りなんです。あなたにぴったりだと思います」
その一言に、なぜか胸が動いた。
そして、すすめられるままに香りを試した瞬間──
「あれ、これ、すごくいい…」
◆“香り”の向こうにある「物語」に心を打たれて
そこからスタッフさんが語ってくれた、シャネルの香水に込められた「美学」。
デザイン、素材、ロゴの配置、瓶のフォルム…。
すべてに哲学が宿っている。
──それってまるで、1冊の詩集を読むような体験。
僕は、まず「BLEU DE CHANEL(ブルー ドゥ シャネル)」を購入しました。
ガブリエル・シャネルの言葉や自伝を知っていたこともあり、実際に香りをまとうと、不思議と背筋が伸び、自分に力が宿るのを感じました。
◆そして出会った、“今の自分に必要な香り”
そのとき店員さんに勧められたのが、「香りのスペシャリスト」によるカウンセリングイベント。
7月、日本でたった1人のスペシャリストが日本橋にやってくる──
とのことで、運良く予約が取れました。
30分間、自分のライフスタイルや大切にしている価値観を丁寧に聞いてくれたあと、
「あなたには、これが必要だと思います」
と選ばれた香りが《Sycomore(シコモア)》
◆堂々たる“1本の樹”のような香り、Sycomore
「シコモア」は、秋から冬にかけての大地を思わせる、樹木の香り。
幼少期に火山に囲まれて育ったガブリエル・シャネルの記憶が、
スモーキーでビター、静かに燃えるような香りとして表現されています。
ベチバーの深み、キャラメリゼの甘い余韻…
そのすべてが、凛とした品格と、生命力を感じさせてくれます。
夏の暑さに疲れる日でも、この香りをまとうだけで、背筋がスッと伸びる。
清潔感と知性を感じさせる、まさに“纏うオーラ”のような存在。
◆シャネルを纏うという選択肢
「シャネルって、自分にはちょっと…」
そんなふうに思っていた過去の自分に、声をかけたい。
「本物は、男性・女性の枠を越えて、心を動かす」
これからも、自分の香りに責任を持って、
一滴の香水に宿る“美意識”を、
日々の中に取り入れていきたいと思います。