カウンセリングをしていると、
時々、誰にも言えない本音に出会います。
「痴呆になった義父に、早く死んでもらいたいんです」
もちろん、本人も、
そんなことを思いたくない。
「こんなこと、言ってはいけない」
「最低だと思われる」
そうやって、長い間、
ひとりで抱え込んできた人ほど、
僕の前で崩れるように泣かれます。

でも、実際には、
“冷たい人”なのではありません。
むしろ逆です。
優しくて、
真面目で、
責任感が強くて、
ずっと我慢してきた人ほど、
限界を超えてしまう。
介護は、綺麗ごとだけでは続きません!
どれだけ愛があっても、
人間だから、苦しくなる日もある。
逃げたくなる日もある。
消えてしまいたくなる夜もある。
だから僕は、
正しい・間違いではなく、
まず、その苦しさを、
そのまま受け止めます。
「そんなふうに思ってしまうほど、頑張ってきたんですね」
そう伝えるだけで、
張り詰めていたものが、
少し緩むことがあります。
今日もまた、
たくさん吐き出してもらえました。
帰る頃には、雨と一緒に、
少し心が軽くなったような顔をされていました。
人は、“正しさ”よりも先に、
安心できる場所が必要なのかもしれません。