カウンセリングをしていると、よく聞かれます。
「心配しすぎる性格を、どうにかしたい」
「もう少し、ラクに生きられるようになりたい」
「頑張りすぎて疲れてしまう自分を、変えたい」——と。
けれど、
「心配しないでください」
「頑張らなくていいんですよ」
そんな言葉は、案外、響きません。
それは、すでに本人が一番よくわかっているから。
それができないから、苦しんでいるのです。
人の性格や気質というのは、長い時間をかけて培われたもの。
それを変えるには、「気合い」や「一言」では動かないのが現実です。
でも、その中でも希望はある。
それは、
「変わりたいと思っている自分が、ここにいる」
という事実です。
変われないのではなく、
今はまだ、本気で変わる準備が整っていないだけなのかもしれません。
人は、ある意味、“死ぬような体験”をしないと、本気では変われない。
僕自身も、クローン病を通してそれを体験してきました。
だから、カウンセリングでは焦らずに、
相手の話をただ、誠実に聴きます。
アドバイスではなく、傾聴と尊重からはじめます。
小さな気づきが、
やがて大きな行動に変わるその瞬間まで、
信じて、付き合い続けるのが僕の仕事です。
それでも、特に“身内”に対しては、
なかなか変化を信じられない自分が顔を出します。
言っても伝わらない。
わかってもらえない。
何より、心がすり減る——
だからこそ、僕はあえてこう伝えたい。
「変わってもいいし、変わらなくてもいい。
でも、いま苦しいなら、“いまと同じこと”を繰り返さない方がいい。」
その一歩が、いつかあなた自身の未来を救ってくれるから。
今日もまた、そんな想いを胸に、
僕はひとりひとりと向き合っています。