今から19年前。
僕はイギリスで、日本語教師をしていた。
なんとしても、イギリスに住んで、英国で一番有名な学校で「サイキックサイエンス」を学びたかったから。
とにかく、お金を稼ぐために日本語教師になった。
一昨日、当時の写真を懐かしく見返していた時のこと。
シンクロなのか!?
ある生徒から、1通のメールが届いた。
「神社先生、元気にしていますか?僕は結婚して、子供もできて、今は香港に住んでいます」
あの時、あどけなかった少年が、すっかり大人になって、メールに添えられた写真には、可愛らしいお嫁さんと子供が写っていた。
その写真を見ながら、帰国直前にくれた彼の手紙を読み返してみると、あまりにも下手な字で、完全には読めなかった。
「こんなにも雑で、乱暴な文字を書く生徒だったんだなぁ」
当時を懐かしく想いながら、彼が、いつも青色のボールペンを使い、消しゴムをいっさい使うことがなかったことを思い出した。
当時、同僚に、
「なんで、ここの生徒たちはボールペンを使っているの?」
そう聞くと、
「消し去らないことが大切だから」
と言っていた。
間違いをそのまま認めて、それを改善して、次に生かすことが大事だから、青色のボールペンを使うように指導していたのだ。
誰しも、生きていれば、消し去りたいものの一つや二つはある。
しかし、キレイに消し去ることなんてできないし、口から出た言葉も、自分の中に戻すことなんてできない!
だから、一つ一つに責任を持って行動することが大事!
そう教わった。
20代の僕の心には、深く刺さった。
人は皆、間違いや失敗を犯してしまう。
でも、それを必死に消さなくてもいいし、隠さなくてもいい!
そもそも、消せないし、隠せないことの方が多すぎる。
だからこそ、完璧を目指して、間違いや失敗を恐れるのではなく、等身大の自分を、ありのまま認めて、許して、愛することが大事!
そして、次に活かしてゆくことこそが、本当の意味での「成長」なんだなと思った。
神社昌弘(かんじゃまさひろ:本名)
https://kanja.info/contents_507.html
代表著書
「あなたにしか起こせない奇跡」
「クローン病が教えてくれたこと」
「スピリチュアルが教えてくれたこと」
「ひとりぽっちからの卒業」