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患者の「気持ち」

2020/06/24
患者の「気持ち」

こんにちは。

かんじゃまさひろです。

今から3年前のこと、毎日新聞の朝刊に、僕の記事が掲載されました。

この内容は、僕が講演会やセミナーで、いつもお話していることで、相手を気遣う際に「気に留めて」おいてほしいことなので、よかったらご一読くださいね。

「大丈夫?は大嫌い!」

 

私の名前は「かんじゃ」という。

日本でも珍しい苗字の私が、二十歳の時に本当の患者になった。

 

クローン病だと診断されて、半年間に八度の手術、その後四年間の絶食、約十年間の闘病生活を経て、難病を克復した。

運良く素晴らしい医師や先生方に出会い、沢山の協力者のおかげで奇跡を起こすことができた。

そのおかげで現在は完治して、この体験談を本にしたり講演したりしている。

 

発症して十八年が経つが、これまで一番嫌だったことは、お見舞いで「大丈夫?」と聞かれることだった。

大丈夫じゃないからここにいる。

もし大丈夫じゃないと返答したら、あなたに何ができるのか?

例え思いやりの優しい言葉だったとしても、病人には酷な問いかけだ。

病気になった私は、精神まで病み、ひねくれていたのかもしれない。

でも、やっぱり、その一言は大嫌いだった。

 

お見舞いは、何もしなくていい。

ただ聞くのが一番いい。

傍に居て、肩をさすったり、手を握ったりするのもいいだろう。

もし何かをしたいなら、患者だけでなく、看病している側のお手伝いをしたらいい。

家族に一人でも病人が出ると家族みんなも病気になるものだ。

みんなで元気になっていかないと良くはならない。

 

本当の思いやりとは、相手の立場になれないけれども、「わかりたい」「寄り添いたい」という謙虚な姿勢と行動なのだと思う。

私は「大丈夫?」よりも、ただ傍に居て、まずは聞いて欲しかった。

 ほんのちょっと気に留めるだけで、きっと、お互いが優しい気持ちになれると思いますよ。