こんにちは。
「大丈夫?は大嫌い!」
私の名前は「かんじゃ」という。
日本でも珍しい苗字の私が、二十歳の時に本当の患者になった。
クローン病だと診断されて、半年間に八度の手術、その後四年間の絶食、約十年間の闘病生活を経て、難病を克復した。
運良く素晴らしい医師や先生方に出会い、沢山の協力者のおかげで奇跡を起こすことができた。
そのおかげで現在は完治して、この体験談を本にしたり講演したりしている。
発症して十八年が経つが、これまで一番嫌だったことは、お見舞いで「大丈夫?」と聞かれることだった。
大丈夫じゃないからここにいる。
もし大丈夫じゃないと返答したら、あなたに何ができるのか?
例え思いやりの優しい言葉だったとしても、病人には酷な問いかけだ。
病気になった私は、精神まで病み、ひねくれていたのかもしれない。
でも、やっぱり、その一言は大嫌いだった。
お見舞いは、何もしなくていい。
ただ聞くのが一番いい。
傍に居て、肩をさすったり、手を握ったりするのもいいだろう。
もし何かをしたいなら、患者だけでなく、看病している側のお手伝いをしたらいい。
家族に一人でも病人が出ると家族みんなも病気になるものだ。
みんなで元気になっていかないと良くはならない。
本当の思いやりとは、相手の立場になれないけれども、「わかりたい」「寄り添いたい」という謙虚な姿勢と行動なのだと思う。
私は「大丈夫?」よりも、ただ傍に居て、まずは聞いて欲しかった。
ほんのちょっと気に留めるだけで、きっと、お互いが優しい気持ちになれると思いますよ。