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親の「幸せ」子の「幸せ」

2020/03/13
親の「幸せ」子の「幸せ」

こんにちは。

カウンセラーの神社昌弘です。

 

僕は20代の頃、英会話教室でアルバイトをしていたことがあるのですが、なぜか保護者から“進路相談”をされることがよくありました。

 

ある日のこと。

高校生の娘さんを持つ母親から、

「娘が転校したいと言い出したのです。どうしたらいいですか?」

と相談を受けて、

「なぜ、彼女は転校したいって言っているのですか?」

と聞き返すと、

「英語のレベルが高すぎてついていけないから…」

というものでした。

 

本来、塾の講師であれば、

「ウチでフォローしますから大丈夫です!任せてください」

と言うべきなのでしょうが、僕は、すでに彼女がめいっぱい頑張って、もうこれ以上「無理」だということを知っていたので、

「娘さんの希望通りにはできませんか?」

と伝えたら、ひどく怒られました。

 

「ここまで頑張ってきたのに…せっかく良い高校なのに…」

「なんでそんなことを言うのですか?!」

「あなたは講師失格よ!」

 

怒りまくっていた母親に対して、僕は、

「彼女がいま一番望んでいることが、彼女にとって一番良いことだと思います」

と答えたら、余計に怒らせてしまって、全く聞く耳をもってもらえませんでした。

 

そこで

「もし彼女が、転校したらどうなるのですか?」

と尋ねると

 

・良い大学に入れない

・良い会社に就職できない

・良い人に出会えない

・良い結婚ができない

・幸せになれない

 

そんな答えが返ってきました。

 

親が子どもを思う気持ちはわかりますが、そもそも「良い」って何なのでしょう?

「幸せ」って何なのでしょう?

あなたの「幸せ」が子どもの「幸せ」なのでしょうか?

なぜ、子どもが望んでいる幸せの観点から考えられないのでしょうか?

 

一生懸命に娘さんのことを思われている気持ちもわかりますし「あとちょっと頑張ってもらいたい!」「ここを乗り越えてもらいたい!」そんな気持ちもあると思います。

でも、本当に彼女の「幸せ」を考えるなら、いまここやるべきことは、自分の想いを押し付けることではないですよね。

 

こんなことを書くと「甘い」「わがままになる」と言われるかもしれません。

でも…

もし、あなたが両親に「甘えるな!」「もっと頑張れ!」「耐えろ!」と言われ続けて、辛抱しながら頑張り続けたら、大人になった時、親に心から「ありがとう」と言えますか?

 

おそらく、忍耐力と我慢強さは身につくので、多少の感謝はできると思いますが…

自分の「本音」を聞き入れてもらえなかった傷は深く残るはずです。

 

…あのとき私の本音を聴いてほしかった…

 

そんな想いは一生消えることはありません。

 

僕は、彼女のような真面目な生徒たちが、親の期待に応えるために、必死に自分を押し殺し、心を病んできた事例をいっぱい知っているので、もし可能なら、まず、幸せの形はさまざまだと知っていただいうえで、子どもが望んでいる「幸せ」を聴いて、子どもの視点から「幸せ」を考える余裕をもっていただけたら嬉しいなと思います。