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「恩返し」をしたいと思った時に読んでほしいこと。

2020/02/28
「恩返し」をしたいと思った時に読んでほしいこと。

こんにちは。

カウンセラーの神社昌弘です。

 

僕がカウンセラーとして独立して数年は良かったのですが…

その後、徐々に経営状況が悪くなって、ダブルワークをやっていたことがありました。

日中にカウンセリングをして、夜間にバーテンダーをやっていたのです。

 

夜の仕事だけはやりたくなかったのですが、そうもいってられません。

生きてゆくためには、お金が必要でした。

 

御縁をいただいた一見さんお断りの高級バーのマスターにひろっていただいて、そこで二年間お世話になったのですが… 

バーのお仕事は、僕にとって初めての世界!

何もわかりませんでしたが、マスターが、いろんなことを丁寧に教えてくれました。

 

バーテンダーとは「bar(止まり木)」「tender(優しい)」のことで、日頃頑張っているお客様が羽を休める場所です。

働いてわかりましたが、ここはカウンセリングの傾聴力を鍛え、守秘義務を徹底的にするには、もってこいの場所でした。

 

素晴らしい環境で自由に働かせていただき、一般社会ではお目にかかれないようなお客様とも出逢い、それまで勝手な先入観を持っていた自分を反省しました。

なんとか結果で感謝を表したいと思い、いつも誰よりも早く到着して掃除をするのはもちろん、少しでも安らげるようにアロマを持参したり、バーの背もたれにクッションを置いたり、お花を飾ってみたり、トイレにひと工夫を凝らしたり、常に“何か”できることはないかと考えて行動していました。

 

そんなある日のこと。

 

イラっとした様子のマスターから、一体ここは「誰のバーなんだ?」って言われました。

…(しまった!勝手にやり過ぎた)…

冷汗が出て「ごめんなさい」としか言えませんでした。

 

少しでも恩返しがしたいと思ってやってきましたが、僕がよかれと思ってやっていたことは、僕の職分ではなかったのですね。

僕がしなければいけなかったことは、マスターの想いを聞いて、確認して、許可をとって、やることでした。

 

独りよがりだったことを反省をしながら、「どうしたら恩返しができるのか?」を調べていたところ、こんな文に出会いました。

恩は返せるようなものではありません。
恩を返せると思うこと自体が傲慢です。
なぜなら、そこには、恩は返せるという思い込みと、自分がしていることが良いことだという思い上りがあるからです。

これを見てショックを受けましたが、まさに、その通りだと思いました。

 

僕は、自分勝手な価値観を元に、与えられた恩の量を勝手に推し量り、その量を返そうとしていたんですね。 

そもそも、恩の量なんて計ることができないし、その量を返すこともできないのに…。

 

恩は返すものではなく…

与えてくださった恩を素直に喜び、心から感謝をして、その気持ちに報いるしかないのですね。