こんにちは。
カウンセラーの神社昌弘です。
僕がカウンセラーとして独立して数年は良かったのですが…
その後、徐々に経営状況が悪くなって、ダブルワークをやっていたことがありました。
日中にカウンセリングをして、夜間にバーテンダーをやっていたのです。
夜の仕事だけはやりたくなかったのですが、そうもいってられません。
生きてゆくためには、お金が必要でした。
御縁をいただいた一見さんお断りの高級バーのマスターにひろっていただいて、そこで二年間お世話になったのですが…
バーのお仕事は、僕にとって初めての世界!
何もわかりませんでしたが、マスターが、いろんなことを丁寧に教えてくれました。
バーテンダーとは「bar(止まり木)」「tender(優しい)」のことで、日頃頑張っているお客様が羽を休める場所です。
働いてわかりましたが、ここはカウンセリングの傾聴力を鍛え、守秘義務を徹底的にするには、もってこいの場所でした。
素晴らしい環境で自由に働かせていただき、一般社会ではお目にかかれないようなお客様とも出逢い、それまで勝手な先入観を持っていた自分を反省しました。
なんとか結果で感謝を表したいと思い、いつも誰よりも早く到着して掃除をするのはもちろん、少しでも安らげるようにアロマを持参したり、バーの背もたれにクッションを置いたり、お花を飾ってみたり、トイレにひと工夫を凝らしたり、常に“何か”できることはないかと考えて行動していました。
そんなある日のこと。
イラっとした様子のマスターから、一体ここは「誰のバーなんだ?」って言われました。
…(しまった!勝手にやり過ぎた)…
冷汗が出て「ごめんなさい」としか言えませんでした。
少しでも恩返しがしたいと思ってやってきましたが、僕がよかれと思ってやっていたことは、僕の職分ではなかったのですね。
僕がしなければいけなかったことは、マスターの想いを聞いて、確認して、許可をとって、やることでした。
独りよがりだったことを反省をしながら、「どうしたら恩返しができるのか?」を調べていたところ、こんな文に出会いました。
恩は返せるようなものではありません。
恩を返せると思うこと自体が傲慢です。
なぜなら、そこには、恩は返せるという思い込みと、自分がしていることが良いことだという思い上りがあるからです。
これを見てショックを受けましたが、まさに、その通りだと思いました。
僕は、自分勝手な価値観を元に、与えられた恩の量を勝手に推し量り、その量を返そうとしていたんですね。
そもそも、恩の量なんて計ることができないし、その量を返すこともできないのに…。
恩は返すものではなく…
与えてくださった恩を素直に喜び、心から感謝をして、その気持ちに報いるしかないのですね。