「人を愛するって、どういうことですか?」
カウンセリングをしていると、よく聞かれる質問です。
僕もこの問いに、すぐに答えることはできません。
むしろ、答えは人の数だけあると思っています。
でも、たったひとつだけ、
確信していることがあります。
それは、
「人を本当に愛するとは、相手を変えようとしないこと」
です。
もっとよくなってほしい。
楽になってほしい。
幸せになってほしい。
そんなふうに、
「こうしたらいいのに」
と思ってしまうことは、
優しさや想いの裏返しでもある。
でも、ふと気づくんです。
それって、
どこかで
「今のあなたじゃ足りない」
と言ってしまっているのではないかと。
愛するって、
相手を変えようとせず、
“今のままのその人”を見つめること。
どこか欠けていたって、
うまくいかなくても、
弱くても、
「それでもあなたは、あなたでいい」
と伝え続けること。
それは簡単なことではありません。
むしろ、本気で大切に思っている人に対してほど、難しい。
「もっとこうすればいいのに」
「自分のやり方のほうが正しい」
つい、そんな“変えたくなる衝動”が湧き上がってしまうから。
でもその衝動を手放すことこそが、
愛の本質なのかもしれません。
誰かを変えようとせず、
ただ、そばにいること。
黙って見守ること。
その人がその人らしくあることを、許すこと。
愛って、行動じゃなくて、「在り方」なんです。
ちなみに、あなたは今、
誰かを“変えようとして”いませんか?
あるいは、
誰かに“変えられようとして”苦しんでいませんか?
「そのままでいい」
そう言える関係性こそが、
きっと本当の愛なのかもしれません。
神社 昌弘(かんじゃまさひろ)