僕は時々、一人でカラオケに行きます。
理由は単純。
ただ、大きな声を出したいだけ。
ストレスを発散したくて。
そして、何より――ただ楽しみたいから。
でも、不思議なもので、
2回目、3回目と通ううちに、少しずつ“変化”が起きました。
最初は歌うことが純粋に楽しかったのに、
いつの間にか、画面に表示される“点数”が気になり出していたんです。
「え、89点か…。もう一回やり直そう」
「95点超える曲だけ、選ぼうかな」
そんなふうに、“楽しさ”よりも“正しさ”を求めて、
「うまく歌える曲」ばかりを選ぶようになっていた。
これって、人生と似ているなと思いました。
ほんとは歌いたい曲がある。
ほんとはやってみたいことがある。
でも、「失敗したくない」
「うまく見せたい」
「人からどう見られるか気になる」――
そんな理由で、
“うまくやれること”ばかりを無意識に選んでしまっていた。
大人になるって、
そういうことなんだろうか。
無難にこなすこと。
叱られないように動くこと。
目立たずに、安全に生きること。
でも、本当にそうだろうか?
それって、自分の人生を「点数」で測るようなものじゃないか?
もちろん、まわりの目も気になります。
うまくやりたい気持ちもあります。
でも、それよりも、
「心から楽しむ」という感覚だけは、忘れたくないと思いました。
“正しさ”に縛られて、
“楽しさ”を見失ってしまうくらいなら、
たとえうまくできなくても、
自分がワクワクする方を、選びたい。
今、あなたがやっていること。
ほんとうに心が動いていますか?
それは、「歌いたいから歌ってる」ことですか?
僕は今日も、点数は気にせず、
ちょっと懐かしい好きな曲を、
誰もいない部屋で思いっきり歌いました。
正解じゃなくて、
共鳴するものを選べる人生でありたいですね。
神社 昌弘