僕が20代の頃、四つ葉のクローバーを見つけられなくて、見つけられない自分が駄目な人間に思えて、それから探すことを諦めた。
本当は見つけたいのに、見つけられない自分がカッコ悪くて、恥ずかしかったから、それを隠すように「三つ葉の美しさも素晴らしい」と言い聞かせた。
もちろん、三つ葉の美しさに気づける心も素晴らしいし、それはそれで悪くはない。
でも、僕の心は、いつも「四つ葉」を見つけたがっていた。
ホントは夢に挑戦して、色々やってみたいこともあったのに、変なプライドのせいで「できない自分」「失敗する自分」を見たくなくて、無難にやり過ごすことを覚えた。
そして、30代では、一番「安定そうな職」を選んだ。
大学職員になって、それから公務員になって、とにかく、無難な仕事を選んで、「これでいいんだ」「これがいいんだ」と言い聞かせた。
しかし、30歳も半ばを過ぎた頃。
「このままでいいのか?」
「明日、死んでも後悔しないか?」
そんな気持ちがわきおこってきた。
僕は、17歳で父を亡くしているから、余計に「後悔」について考えた。
決して、後悔しない生き方が正解ではないし、それが良いとも限らない。
でも、その時、自分の本心を誤魔化す方が、よっぽどカッコ悪くて、恥ずかしいことだと思い知ったし、やっぱり、後悔したくないって思った。
だから、僕は「エイヤ!」と個人経営に飛び込んだ。
これまでの「安定」を手放すには、かなりの勇気が要ったが、母が、
「やってみて、ダメなら、またやり直せばいい」
「あなたには、戻る場所があるんだから心配しなくていい」
そう気楽に言ってくれたから、前進できた。
あれから10年。
「ダメになったら、またやり直せばいい!」
そんな気持ちの余裕があったからこそ、気負わずに、ここまで来れたんだと思う。
もし僕が、先々のことを考えすぎて、経営に対して深刻になっていたら、絶対に「鬱」になっていたと思うし、10年も持たなかったと思う。
とはいえ、いつも頭の片隅に、不安や心配もある。
けれど、そこに意識を向けても何も解決しないし、仲間や税理士さんに相談して、とにかく、目の前のお客様を大事に、一日一日を丁寧に大切にしてきた。
統計的には、自営業の半数が、約2年で廃業し、10年残るのは、たった1割だと言われているから、この中で、僕が残れているのは、本当にラッキーだと思っている。
これも全部、優しい人たちに支えられて、素晴らしいお客様に恵まれてきたからだと思うし、みんなには、心から感謝をしている。
かつては、四つ葉を見つけたら幸せになれると思っていたけど、決して、そうではなかった。
四つ葉を見つける過程で、ありのままの自分を認めて、許して、応援してゆくことが一番大事だとわかったし、そこで、自分と周りを信じながら、一日一日を大切にしてゆくことが「本当の幸せ」に繋がることを学んだ。
神社昌弘(かんじゃまさひろ:本名)
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