どんなに強い精神力を持っていても、ブレることはある。
人間は感情の生き物だから、ブレない方が、逆におかしい。
病気になったり、大切な人を失ったり、不慮の事故にあったりすれば、不安になるのは当然で、意味もなく泣けてきたり、悲しくなったり、憂鬱になったりするのも仕方がない。
そんな時は、ブレてもいいし、落ち込んでもいい。
もちろん、泣いてもいい。
生きてゆくということが、色々な人と関わり、予想外のことが起きるということだから、ブレるのは当然で、
「ブレたら、また戻せばいい」
「落ち込んだら、また立ち直ればいい」
と切り替えていくことが大切だ。
そこで、必要になってくるのが「メンター」の存在!
メンターとは、日本語で「助言者・指導者・師匠」とも言われるが、メンターは、個人の成長や精神的なサポートには欠かせない。
僕は長年、心理学を勉強してきて、
「心の強さは、切り替えの速さ」
ということを学んできたから、できるだけ早く、メンターの力を借りるようにしている。
もちろん、自分で問題解決しようと努力もするが、そこに長居はせず、素直にメンターの助言をいただくようにしている。
所詮、一人でできることなんて限られているし、一人で解決しようなんて思わなくていいということを思い知らされてきたからだ。
クローン病になる前は、一人で問題解決をして、誰にも迷惑をかけず、自立することだけが良いことだと思い込んでいたが、いま思い返せば、それは独りよがりの傲慢で、自立ではなく、単なる「孤立」だった。
有難いことに、僕には、心から尊敬するメンターがいて、20代から20年ほどメンターに支えてもらってきたが、メンターから教わったことは計り知れない。
ちなみに、僕のメンターは、今は亡き、声優の増岡弘さん。
長い間、サザエさんに登場するフグ田マスオ役やアンパンマンのジャムおじさんを担当されてきた。
日本国民から愛されるキャラクターを担当してきた増岡さんは、やっぱり、普段の生活からも素晴らしく、みんなから愛されて、多くの人から慕われて、その場を平和な空気にしてくれる人だった。
僕は、人生の師匠と呼べる人に出会えて、本当に幸せだったし、いつか僕自身が誰かのメンターになれることがあれば、それはとっても幸せなことだと思う。
今や、SNSやネットから何でも情報が手に入る時代だから、メンターなんて必要ないと思っている人もいるかもしれないが、幸せな人生に必要なのは、絶対に、信頼できるメンターだ!
ハーバード大学のある研究結果によると、人間の幸福と健康を高めてくれるのは、家柄や学歴、職業や年収ではなく、「信頼できる人」と書かれていた。
やっぱり、信頼できる人がいることで、心身が安定して、幸せな人生が送れるのだと思う。
神社昌弘(かんじゃまさひろ:本名)
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