こんにちは。
カウンセラーの神社昌弘です。
僕は、幼い頃から「ひとりで何でもできることが自立」だと思い込んできました。
ひとりで全部できることが偉くて、それが自立だと思っていました。
だから、とにかく、なんでもひとりで「できる」ように頑張ってきました。
でも、どうやっても「できない」ことがありました。
諦めたらいいのに、諦めることはイケナイことだと思い込んで、泣きながら頑張って、ただただ苦しいばかりでした。
そんな苦しさから解放されたのは、僕がイギリスに行ってからのこと。
僕がイギリスで日本語教師をしていた時でした。
ある日、僕が担当していたクラスに「できない」ことを「諦める」生徒がいて、それを見て、
「彼のスタンスは良くないね」
「ひとりでできるように努力した方が良いし、最後まで諦めない教育をした方がいいよね」
と同僚に同意を求めると、
「別にいいんじゃない?」
「頑張っても無理なら、さっさと諦めて自分の得意を伸ばせばいいだけのことだよね」
って返ってきて
「それは駄目だよ!」
と言い返すと、
「君は、まるで卵アレルギーの子どもに、無理矢理体質改善をさせて、なんとか卵を食べさせようとさせてるみたいだよ」
「しかも、それが一番良いと勝手に思い込んでいる」
僕はイラっとして、
「でも、それじゃ『自立』にならないし、その子の為にはならないよ」
と言い返すと、
「自立って、自分にできないことを素直に認めて『助けて』『お願いします』ってまわりを信頼することでもあるよね」
「諦めるっていうのは、自分にできることとできないことを『見極める』ことでもあるよね」
「だとしたら、できないことを素直に認めて、諦めて、できることを伸ばして、何が悪いんだ?」
そう言われて、言い返す言葉がありませんでした。
それまで、僕は、ひとりで全部やることが良いことで、それが自立につながると思っていました。
諦めずに努力し続けることこそ最高だと思っていました。
それはそれで正しいところもあるでしょう。
でも、もしかしたら、間違っている部分もあるのかもしれません。
☆「できる」ようになりたい人は「できる」ように諦めずにやればいいだけのことで、それができる環境なら最高です。
☆「できない」ことを素直に認めて、まわりを信頼して「お願いします」という勇気を持つことも素敵です。
☆「できる」ことだけ伸ばして、自分の個性をグンと伸ばすこともいいのでしょう。
結局、その時と場合、状況によって、一概には言えませんが、カウンセラーという立場上、僕のまわりには、すでに頑張りすぎの人がいっぱいいるので…
今は「助けて」という勇気をもつことが大切ですよ。「助けて」と言えた時に「自立」はできているから、ひとりで抱え込まなくていいんですよと言いたいです!
そして…
できない自分を責め続けて、自分を大嫌いになるよりも、「できる」ことをドンドン伸ばして、自分をドンドン好きになってね!
そう伝えたいです。
イギリスから帰国後、こんな本が出版されていることを知りました。
東大教授が、実体験を元に「自立」の意味を教えてくれています。
「自立」について知りたい方に、お薦めの一冊です。