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「助けて」と言えた時に自立している?!

2020/02/20
「助けて」と言えた時に自立している?!

こんにちは。

カウンセラーの神社昌弘です。

 

僕は、幼い頃から「ひとりで何でもできることが自立」だと思い込んできました。

ひとりで全部できることが偉くて、それが自立だと思っていました。

 

だから、とにかく、なんでもひとりで「できる」ように頑張ってきました。

でも、どうやっても「できない」ことがありました。

 

諦めたらいいのに、諦めることはイケナイことだと思い込んで、泣きながら頑張って、ただただ苦しいばかりでした。

 

そんな苦しさから解放されたのは、僕がイギリスに行ってからのこと。

僕がイギリスで日本語教師をしていた時でした。

 

ある日、僕が担当していたクラスに「できない」ことを「諦める」生徒がいて、それを見て、

「彼のスタンスは良くないね」

「ひとりでできるように努力した方が良いし、最後まで諦めない教育をした方がいいよね」

と同僚に同意を求めると、

「別にいいんじゃない?」

「頑張っても無理なら、さっさと諦めて自分の得意を伸ばせばいいだけのことだよね」

って返ってきて

「それは駄目だよ!」

と言い返すと、

「君は、まるで卵アレルギーの子どもに、無理矢理体質改善をさせて、なんとか卵を食べさせようとさせてるみたいだよ」

「しかも、それが一番良いと勝手に思い込んでいる」

 

僕はイラっとして、

「でも、それじゃ『自立』にならないし、その子の為にはならないよ」

と言い返すと、

「自立って、自分にできないことを素直に認めて『助けて』『お願いします』ってまわりを信頼することでもあるよね」

「諦めるっていうのは、自分にできることとできないことを『見極める』ことでもあるよね」

「だとしたら、できないことを素直に認めて、諦めて、できることを伸ばして、何が悪いんだ?」

そう言われて、言い返す言葉がありませんでした。

 

それまで、僕は、ひとりで全部やることが良いことで、それが自立につながると思っていました。

諦めずに努力し続けることこそ最高だと思っていました。

 

それはそれで正しいところもあるでしょう。

でも、もしかしたら、間違っている部分もあるのかもしれません。

 

☆「できる」ようになりたい人は「できる」ように諦めずにやればいいだけのことで、それができる環境なら最高です。

 

☆「できない」ことを素直に認めて、まわりを信頼して「お願いします」という勇気を持つことも素敵です。

 

☆「できる」ことだけ伸ばして、自分の個性をグンと伸ばすこともいいのでしょう。

 

結局、その時と場合、状況によって、一概には言えませんが、カウンセラーという立場上、僕のまわりには、すでに頑張りすぎの人がいっぱいいるので…

今は「助けて」という勇気をもつことが大切ですよ。「助けて」と言えた時に「自立」はできているから、ひとりで抱え込まなくていいんですよと言いたいです!

そして…

できない自分を責め続けて、自分を大嫌いになるよりも、「できる」ことをドンドン伸ばして、自分をドンドン好きになってね!

そう伝えたいです。

 

イギリスから帰国後、こんな本が出版されていることを知りました。

「生きる技法」

東大教授が、実体験を元に「自立」の意味を教えてくれています。

「自立」について知りたい方に、お薦めの一冊です。